Staff Blog

『葉酸』ってなに?~妊活サプリメントについてのあれこれ1

2018.10.04 研究結果

桜十字渋谷バースクリニック培養部です。

妊活中の方、あるいは不妊治療をうけていらっしゃる患者さまでは、インターネット等を見ていると『妊活サプリメント』というのを目にするかと思います。またその多くが『葉酸』のサプリメントかと思いますが、ではなぜ『葉酸』が妊活に必要なのか、皆さんご存知でしょうか??

なぜ葉酸が妊活に必要なのか?

最近、「葉酸を摂ると妊娠しやすくなるんでしょ?」といった、間違った知識を持っていらっしゃる方が非常に多いように感じます。「えっ?違うの??」と思われたそこのあなたへ、今回はなぜ『葉酸』が必要なのか?について詳しくご紹介していきたいと思います。

まず『葉酸』とはビタミンB群の一つで、血液(赤血球)を作ったり、細胞を作るために必要な核酸を合成したりする作用があります。一部を除いて、ビタミンは人間の体内では作ることができないため、必要な量をバランス良く食事などから摂取しなければ、身体に様々な支障をきたします。

例えば、“ビタミン”と言われてすぐに思い付くものに『ビタミンC』がある思います。
この最もメジャーな『ビタミンC』は不足し続けると壊血病という出血性の障害を引き起こします。
17世紀、大航海時代のヨーロッパで、船乗り達が長距離を航海していた際に野菜や果物を摂取することが出来ず壊血病にかかったと言われています。

では話しを元に戻しますが、なぜ“妊活”にこの『葉酸』が必要なのでしょうか??

近年、諸外国の研究において『葉酸』を摂取することで、赤ちゃんの神経管閉塞障害のリスクが減らせるということがわかってきました。
(※International Clearinghouse for Birth Surveillance and Research, Annual Report, 2013

葉酸の効果

神経管閉塞障害とは、人間の脳や脊髄を作る“神経管”が、妊娠初期に正常な形成が行われないことによって起こる障害で、脊髄に異常が起こることに起因する運動機能障害や、脳が形成されない無脳症といった病気を指します。

中でも、日本で問題となっているのが神経管閉塞障害の一つである“二分脊椎症”で、アメリカやヨーロッパ諸国、オーストラリアなどでは発生率が減少傾向にあるものの、日本では増加の一途をたどっています。
(※平成26年 日本産科婦人科学会, 産婦人科診療ガイドラインより

『葉酸』の摂取は、これらの神経管閉塞障害に加えて、その他の先天性形態異常のリスクを減少させることにも効果があるのではないかと考えられています。

こうした『葉酸』の効果を普及させるため、厚生労働省は平成12年から、妊娠を考えている女性に対して、葉酸摂取の重要性を周知するとともにその他ビタミンを多く含む栄養バランスのとれた食事が必要であることなどの情報提供を積極的に行っています。
(※平成12年12月 厚生労働省, 先天異常の発症リスクの低減に関する検討会, 神経管閉塞障害の発症リスクの低減に関する報告書より)

またこの中で、少なくとも妊娠1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までの間は、『葉酸』をはじめその他ビタミンの摂取を推奨しています。
ですので、最初に戻りますが『葉酸』は(もちろん健康な身体づくりには必要ですが…)「妊娠しやすくなる栄養素」ではなく「赤ちゃんのための栄養素」であることを覚えておいてください。

ただ一方で、あくまでも神経管閉塞障害には様々な要因が絡んでいますので、葉酸摂取だけで発症を防ぐことは難しいこともあります。また、神経管閉塞障害の赤ちゃんが産まれても、その原因が葉酸摂取不足であると断定することは出来ないということも付け加えておきます。

厚生労働省が推奨するように、栄養バランスのとれた食事を摂って健康的な身体になることが、妊娠と健康な赤ちゃんの誕生への近道なのかもしれませんね。

※当院でも葉酸を含むサプリメントを扱っております。ご希望やご相談がございましたら来院時にスタッフまでお申し付けください。