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不妊について知ろう!【第13回 卵巣因子 ~PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)~】

2019.02.14 基礎知識

桜十字渋谷バースクリニック培養部です。

今回は、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)についてのお話です。

 

卵巣には排卵を待つ原始卵胞がいくつもありますが、排卵期になるとその中で主席卵胞のみが卵胞を育てるホルモンに反応し20ミリ程度の大きさになり排卵へ向かいます。ですがPCOSの方の場合、卵胞内に2~9ミリの小さい卵胞がいくつも存在し、なかなか排卵まで大きく発育しないこともあります。こうなると排卵がおきなかったり、以前説明したホルモンの流れがうまくいかなかったりして妊娠まで時間がかかったりすることがあります。

不妊治療を始め卵胞発育がうまくいかなかった場合、排卵誘発剤などを使って卵巣を刺激することがありますが、卵巣内に存在するたくさんの小さな卵胞が強く刺激されると卵巣過剰刺激症候群(OHSS)といって卵巣が腫れた状態になってしまいます。すると腹水、胸水が貯留することがあり、まれですが重症化すると血栓、腎不全、呼吸不全などの危険な状態になる可能性があります。

 

よって、治療の前にはPCOSのリスクがないかチェックする必要があります。

PCOSの日本での頻度は約3%と推測されており、月経異常、エコーでの卵巣の観察、血中男性ホルモンまたはLHFSHの採血検査を行います。また、卵巣の予備能をみる抗ミュラー管ホルモン(AMH)もPCOS診断の参考になります。