プレコンセプションケアとは何?

プレコンセプションケアとは、将来の妊娠に備えて妊娠より前の段階から心と身体を整えていく健康づくりで、思春期前後や生殖可能年齢の方、将来の妊娠を視野に入れている方が対象となります。早い段階から正しい知識を得ることで人生の選択肢をより豊かにする鍵になります。

また、プレコンセプションケアは、ライフステージやライフプランに合わせて、今の自分に必要なケアを選べることが大きな特徴です。身体の状態を整えるだけでなく、ストレスや不安との向き合い方など、心のメンテナンスも含めてサポートする点が大きな魅力です。

妊娠を望むタイミングは人それぞれのため、妊娠を希望する前から健康状態を整えておくことは、妊娠のしやすさ(妊孕性)を高め、妊娠中のリスクを減らし、将来生まれてくる赤ちゃんの健康にも良い影響をもたらすといわれています。

プレコンセプションケアが推奨されている理由

プレコンセプションケアは、WHO(世界保健機関)や厚生労働省も積極的にすすめています。

WHOではプレコンセプションケアを
プレ(pre)「~の前に」+ コンセプション(conception)「受精・妊娠」
という意味から、“妊娠する前の女性やカップルに向けて、医療・生活習慣・社会的な面からサポートを行うこと” と定義しています。プレコンセプションケアは妊娠を望むかどうかにかかわらず、“未来の選択肢を広げる、自分自身への投資” といえる取り組みです。

なぜ、いまプレコンセプションケアが必要なのか

晩婚化・晩産化が進む今、「妊娠したい」と思った時に安心して選択できるよう、妊娠前から健康状態を整える重要性が医学的にも明らかになっています。「いつかは結婚したい」「いつか子どもを持ちたい」そう考えたことのある方は多く、調査では将来的に子どもを望む人は約8割にのぼり、男性の割合がやや高い傾向もみられます。
しかし、結婚は年齢に関わらず可能である一方で、妊娠・出産には適した時期があることもまた事実です。

妊娠に適した「時期」とは?

一般的に妊娠適齢期とされるのは、20歳~35歳ごろの性成熟期です。
その前後の年齢では、妊娠や出産において様々なリスクを伴う可能性があり、より慎重な健康管理が必要になります。だからこそ、正しい知識を持ち、ご自身のライフプランに合わせて健康を管理していくことが大切です。
プレコンセプションケアは、将来の妊娠・出産を望む際に適切な準備ができるよう、自分の妊孕性や健康状態と向き合うための大切なステップとなります。

ブライダルチェックの流れ

国立成育医療研究センターホームページより引用

赤ちゃんの健康を守るために妊娠前の感染症対策

妊娠前の感染症対策は、赤ちゃんの健康を守るうえでとても重要です。特定の感染症は、妊娠中に初めて感染することで赤ちゃんに深刻な影響が出ることが知られています。妊娠前に免疫状態をチェックしておくことで、本来防げるはずの先天異常や重症化を未然に防ぐことができます。プレコンセプションケアでは、こうした感染症リスクを丁寧に確認し、必要に応じてワクチン接種や生活上のアドバイスも行います。

クラミジア感染症について
風疹について

風疹の測定方法について

風疹の測定方法の一つに「HI法(赤血球凝集抑制法)」があります。
過去に風疹ウイルスに感染したことがあるか、あるいはワクチンを接種したことで、体内に風疹に対する免疫(抗体)がどれくらいあるかを数値で測る検査方法です。この検査は、特に妊娠を希望する女性やそのパートナーにとって非常に重要です。

風疹抗体価(HI法)の数値の見方と目安

風疹の測定方法の一つに「HI法(赤血球凝集抑制法)」があります。
HI法では数値によって免疫の状態を判断します。この数値は一般的に以下のように分類されますが、最終的な判断は医師にご相談ください。

8倍未満
風疹に対する免疫をほとんど持っていない状態です。風疹にかかるリスクが高く、妊娠中に感染すると赤ちゃんに影響が出る可能性が高いです。風疹含有ワクチンの接種を強くお勧めします。
8倍・16倍
免疫はありますが、風疹の予防には十分ではない可能性があります。妊娠を希望する女性などは、より確実な予防のためにワクチンの接種が推奨されます。
32倍以上
風疹感染の予防に十分な免疫を保有していると考えられます。基本的にワクチン接種の必要はありません。
  • 風疹ワクチンは妊娠中には接種できません。
  • ワクチン接種後、次の妊娠までには約2ヶ月間の避妊期間が必要です。
  • 女性だけでなく、パートナーの男性も抗体があるかを確認し、免疫が不十分な場合は接種することで、家族全体で風疹から赤ちゃんを守ることができます。

風疹抗体価の数値に関して、ご自身の状態についてさらに詳しく知りたい場合は、お気軽にご相談ください。

TOKYOプレコンゼミの助成金について

TOKYOプレコンゼミとは、プレコンセプションケアにについて専門家から学べる無料講座です。対象は東京都が18~39歳の都内在住者で、受講後は妊娠・出産前のヘルスチェック検査で最大30,000円の助成が受けられます。
TOKYOプレコンゼミには性別やパートナーの有無に関わらず参加が可能です。性や妊娠に関する正しい知識を身に付け健康管理に取り組み、将来の妊娠・出産に関する正しい知識を医師や保健師から学べます。

実際にプレコンセプションケアに関連する検査を受ける場合は、登録医療機関でなければ助成金の対象外となります。桜十字ウィメンズクリニック渋谷はTOKYOプレコンゼミの登録医療機関であり、対象となる検査で助成金を受けることが可能です。なお、現在桜十字ウィメンズクリニック渋谷では女性向けの検査のみを対象としています。
「いつか子どもが欲しい」と思ったときが始めるチャンスです。TOKYOプレコンゼミの詳しい情報は、東京都福祉局の公式サイトをご確認ください。

プレコンセプションケア|妊娠・出産|東京都福祉局

TOKYOプレコンゼミ支援の流れ

TOKYOプレコンゼミ支援の流れ

TOKYOプレコンゼミ支援の流れ

出典:東京都福祉局プレコンセプションケアを参考に作成

TOKYOプレコンゼミを受講し、検査のことを理解したうえで希望する方は、東京都が指定する検査のうち実施した検査の費用が助成されます。

助成金の条件

助成金を受けるためには、以下の5つの条件を満たしていなければなりません。

  • TOKYOプレコンゼミの受講を完了し、検査のことを正しく理解すること
  • 受講完了後、プレコンセプションケアの一環として、当該年度内(令和8年3月31日まで)に、登録医療機関において、対象の検査および検査結果を踏まえた助言・相談を受けること
  • 都が実施するアンケートに回答すること。
  • 講座受講日から申請日までの間、対象者が継続して東京都の区域内に住民登録していること

上記の条件があるため、自分が該当しているかチェックをしてから申請しましょう。

助成額

男女ともに上限30,000円の助成を受けられます。検査には必須検査と選択検査があり、対象の検査費用に加えて、初診料、再診料、助言・相談料の費用も助成の対象となります。
ただし、助成の上限額を超えた分は自己負担になるため注意しましょう。

検査について

桜十字ウィメンズクリニック渋谷では、女性向けのプレコンセプションケアに関連した各種検査を提供しており、TOKYOプレコンゼミ助成制度の対象検査にも対応しています。
専門医による丁寧な検査と相談対応で、あなたの将来の妊娠・出産に向けた健康管理をサポートします。

対象となる検査セットと費用について

当院では検査項目を個別にお選びいただくことはできません。すべてセットでのご案内となります。

【 女性プレコン検査項目 】

項目 費用
初診料 44,000
助言・相談料
必須検査 尿検査(たんぱく・糖)
血液検査(Fe・TP・コレステロール・糖・腎機能)
麻疹抗体検査
女性検査 B型肝炎検査
C型肝炎検査
AMH検査
甲状腺ホルモン検査
感染症検査 梅毒
淋病
クラミジア
HIV
経腟超音波検査 子宮サイズ
卵巣サイズ
腫瘍の有無
嚢胞の多少

※ピル服用中はAMH値が低くなるため、参考値となります。

【 男性プレコン検査項目 】

項目 費用
初診料 27,500
助言・相談料
必須検査 尿検査(たんぱく・糖)
血液検査(Fe・TP・コレステロール・糖・腎機能)
麻疹抗体検査
男性検査 B型肝炎検査
C型肝炎検査
感染症検査 梅毒
淋病
クラミジア
HIV
精液一般検査 精液量
精子濃度
総精子数
総運動率
前進運動率
精液精密検査(DFI検査) オプション 13,200

桜十字ウィメンズクリニック渋谷では、TOKYOプレコンゼミで学んだ知識をもとに、医師と相談しながら最適な検査プランを組むことができます。どの検査をしたら良いかわからず悩んでいる場合は、ぜひご相談ください。

お申し込み方法

前述の助成金の条件を満たしていることを確認し、予約フォームから検査の申し込みをしてください。

なお、助成金の最初の条件である「TOKYOプレコンゼミの受講」は桜十字ウィメンズクリニック渋谷ではなく、東京都のサイトから申し込む必要があります。
以下の東京都のサイトからお申し込みください。

TOKYOプレコンゼミ|東京都福祉局

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