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男性は、精子の値が健康指標の1つに成り得る(精液検査)

2018.07.05 研究結果

桜十字渋谷バースクリニックの培養部です。

 

今回は、2018年3月にシカゴで行われた第100回 米国内分泌学会(ENDO 2018)の中から、男性不妊と健康指標に関する海外の最新トピックをご紹介します。

 

近年、生活習慣の乱れ、特に体重の増加高血圧不眠などによって、精子の数が減少したり、DNAフラグメントといって遺伝子に損傷を受けた精子が増えたりすることが示唆されています。

 

しかしながら、イタリアのブレシア大学で内分泌学を研究されているAlberto Ferlin医師らのチームは、


✕ 『生活習慣の乱れ ⇨ 精子数の減少』 
では無く、

◯『精子の数が少ない ⇨ 生活習慣病のリスクが増加』 であると指摘しています。

 

Ferlin医師はイタリア国内で大規模な調査を行い、年齢や病歴などの条件を設定して5177人の男性に精液検査を施行しました。するとそのうち、約20%がWHOの定める精子濃度(1500万/ml)に達していませんでした。

この被験者達を、数年間にわたって前方視的に追駆し、健康状態の診断を行ったところ、精液検査に問題の無かった群と比較し、将来的な肥満・高血圧・高コレステロール・糖尿・心臓病などの発症リスクが顕著に高かったとのデータが示されました。

さらに詳しく調査したところ、精子濃度が少ない群では、男性ホルモンであるテストステロンの濃度が一般的な値の1/12しか認められなかった被験者もいたと報告しています。

 

イギリスのシェフィールド大学で男性病態学を務めるAllan Pacey教授は、本研究に対して、「男性の健康指標と不妊に関してはさらなる研究が必要だが、精液検査をすることで、不妊はもちろん将来的な病気のリスクを読み取る1つの指標になるのではないか」と見解を述べています。

 

残念ながら、どうすれば精子の数や質を改善できるのか?という所は、今後の課題となっておりわかりませんでしたが、妊活を行う上で、特に男性は健康に気を付けた方が良いことは間違いなさそうです。