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着床不全の検査(NK細胞活性検査・ヘルパーT細胞のバランス検査)について

公開:2020.12.09

検査・治療法

こんにちは、桜十字渋谷バースクリニック検査部です。

当院では、流産を2回以上繰り返すご夫婦にその原因を調べる各種検査を行っています。
(流産を2回繰り返すことを「反復流産」、3回以上繰り返すことを「習慣流産」と呼び、不育症とほぼ同じ意味で使われます。)

流産は精神的にもとても辛いことですが、自然流産は全妊娠の約10~20%に発生します。その中で最も頻度の高いものは、卵子に偶発的におこる染色体の異常によるものと考えられています。

当院の不育症、着床不全の検査にはNK細胞活性検査ヘルパーT細胞のバランス検査(Th1/Th2)というものがあります。

NK細胞(ナチュラルキラー細胞)とは、血液内に存在するリンパ球の一種で、がん細胞やウィルス感染した細胞などの異常な細胞を見つけ次第攻撃をする細胞です。NK細胞の中には細胞活性が高いもの(攻撃力、排除力が高いもの)と低いものが存在します。

通常は妊娠すると細胞活性の低いNK細胞が子宮内膜に移動し、受精卵や胎児を外敵から守ろうと働いてくれます。ただ何らかの理由で細胞活性の高いNK細胞が子宮内膜に移動して、定着してしまうと、着床や妊娠継続を妨げてしまうと言われており、実際に、不育症の患者さんや、反復着床不全の方などは、NK細胞活性が高い場合があるという研究結果が報告されています。

検査で異常値が出た場合には、細胞の活性を抑えるためのステロイド療法を行います。

 

妊娠は受精卵が子宮に着床し,成立するものです。つまり、着床や妊娠の継続には本来異物である、男性由来の遺伝子を含む受精卵を受け入れる免疫機構を獲得する必要があるということです。

少し難しい話ですが、妊娠における免疫機構は主にヘルパーT細胞から産生されるサイトカインが担い,細胞性免疫を誘導するTh1細胞と液性免疫を誘導するTh2細胞に分類されます。これらを制御性T細胞がコントロールしています。(初診時の検査として施行している、ビタミンD(25OHVD)はこのT細胞のコントロールに関与しているともいわれています。骨を作ることに関与しているビタミンなのに興味深いです!)

正常妊娠では胎児・胎盤を攻撃するTh1細胞は減少し,Th2細胞が優位となります。

そのバランスが崩れると、着床や妊娠の継続を妨げてしまうという研究結果があります。

治療には、免疫を抑える薬を処方いたします。

なお、NK活性やヘルパーT細胞の検査は平日のみの受付となりますのでご注意ください。