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ICSI(イクシー)とIMSI(イムジー)

公開:2023.09.11 最終更新:2023.09.08

基礎知識検査・治療法

卵子と精子を受精させることを媒精といい、体外受精においてこの媒精方法が非常に重要になります。媒精には大きく2つの方法があります。

体外受精と顕微授精(ICSI)

  • 体外受精
    培養液を満たしたシャーレの上で、精子を卵子に振り掛け受精させる方法です。
  • 顕微授精
    顕微鏡下で精子の形態や運動性を判断し、良好な精子を1つ選びます。そして、マイクロピペットと呼ばれる細いガラス管を用いて、精子を卵子の細胞質内に直接注入し、受精を促進する方法です。
    通常の体外受精では一定数以上の良好な運動精子が必要ですが、顕微授精では卵子に1つの精子を直接注入することができるため、1つでも精子があれば受精が可能となります。
    体外受精を実施しても受精が成立しなかった場合や、体外受精をしても受精しないと判断される場合、顕微授精以外の治療では妊娠の可能性が極めて低いと判断される場合に対象となる方法です。

ピエゾICSI

当院では、一般的な顕微授精に加えて「ピエゾICSI」と呼ばれる方法を取り入れております。

従来の顕微授精では、卵子に針(ピペット)を刺すだけでは細胞膜が破れず、吸引圧をかけるため、細胞膜の弱い卵子は吸引のショックで変性する場合があります。

ピエゾICSIでは、ピエゾ素子の発生する微振動により卵子の細胞膜を破るため、卵子の中の組織を傷つけず、吸引によるストレスを少なくすることで卵子への負担を減らし、変性率の低下が期待できます。

IMSI(イムジー)

IMSIとは、通常の顕微授精より高倍率の顕微鏡下で観察し、より形の良い精子を選んで採取することが出来る方法です。

IMSIでは通常の顕微授精では見えなかった詳細な精子形態(精子の頭部の空砲、尾部や中間部の異常)を見極めることができます。精子頭部には、遺伝情報や受精に必要な酵素が詰まっており、形や動きから良好な精子を選ぶことが非常に重要です。IMSIによる妊娠率の上昇・流産率の低下・胚の発育割合の上昇などが報告されています。

体外受精・顕微授精(ICSI)・IMISの費用

体外受精(ふりかけ):¥12,600

顕微授精(ICSI):
1個 ¥14,400
2~5個 ¥20,400
6~9個 ¥30,000
10個以上 ¥38,400
※体外受精と顕微授精の両方を行った場合、体外受精の50%に顕微授精の費用が発生します

IMSI加算(先進医療):¥20,000

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