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少子高齢化問題。海外の事例とトンデモ対策!?(少子高齢化対策)

公開:2018.08.23 最終更新:2018.11.27

生活習慣倫理

桜十字ウィメンズクリニック渋谷培養部です。

昨今の日本では、体外受精を受けられる患者数が年々増加傾向にありますが、一方で、出生率は年々減り続けており『少子高齢化』が社会問題にもなっています。
今回は、少子高齢化の実際と海外のユニークな対策・取り組みについて、海外での事案も取り上げながらご紹介していきたいと思います。

 

昨年の厚生労働省の統計で、日本の出生率は1.43で、2年連続で低下したと発表されています。

1970年の出生率が2.14ですから、大きく低下していることがわかります。

 

お隣の韓国では、出生率1.05世界で最も低い出生率を示しています。

一つの国が人口を安定させるためには、女性1人当たり出生率が2.1以上必要であると言われていますので、その半分の値しかないという状態です。

 

韓国では、出生率の改善のため過去10年間で数千億円規模の予算を少子化対策キャンペーンに投じていますが、低下傾向は一向に改善されていません。背景には、空前の住宅価格の高騰や、社会・教育格差があると言われていますが、韓国政府は何よりも「仕事上のキャリアを犠牲にしたくない」と主張する女性が増加傾向にあるとの見解を示しています。

 

日本も、世界的に見ると急激な出生率の低下を示す国の一つです。

一般社団法人 日本家族計画協会の北村 邦夫医師は、少し変わった興味深い点から日本の出生率低下の原因を探っています。

その1つが、コンドームやピルといった避妊具の使用率の低下です。一見すると、「性教育が十分に行われていないのでは??」と勘違いしてしまいがちですが、比例するように人工妊娠中絶や性感染症もここ数年では減少傾向にあります。

そして、背景には少子高齢化。

北村医師は「つまるところ、日本人はセックスへの興味や機会が減少しているのではないか?」と推測しています。
日本産科婦人科学会の報告によると、結婚している男性の3分の1、女性では4分の1が、セックスに対して身体的・精神的な事象を含め何らかの問題を抱えているとしています。

また、北村医師らの研究グループが18歳から34歳の女性を対象として行ったアンケート調査によると、セックスを一度も経験したことが無い女性が増加傾向にあることも示されています。

 

少子高齢化問題は日本や韓国のみならず世界各国に広がっていますが、いくつかの国では、対策として非常にユニークな取り組みを導入しています。

 

デンマークのある旅行会社​​が実施した調査によると、デンマーク人の夫婦の半数以上が休暇中に性交渉を持ち、国内総出生数の約1~2割は、旅行中に妊娠した子どもであるという調査結果が出ました。これを受けて、2014年にデンマークの旅行会社スパイズトラベル社は、この会社を通して旅行を申し込み、休暇中に妊娠したことを証明できた顧客には、3年分の赤ちゃん用品と無料の家族旅行を提供するという画期的なツアーを打ち出しました。

 

また、ロシア・モスクワ東部のウリヤノフスク州という地域では、人口減少に歯止めをかけるべく、夫婦(カップル)が子育てや子づくりの目的で自宅にいることを奨励する“州の休日”を制定しました。毎年9月12日には、公式祝賀式典も行われており、また、この日から約9ヶ月後に赤ちゃんが産まれた場合にはビデオカメラや冷蔵庫、洗濯機といった特典が授与されるとのことです。

 

少子高齢化が進む日本でも、こういった取り組みを積極的に行えたら面白いのかもしれませんが、まだまだ対策は十分とは言い難く、今後状況はどんどん厳しくなっていくかと思われます。こと不妊治療においても、『不妊治療助成制度』は存在するものの、北欧を中心としたヨーロッパ諸国と比較すると遅れをとっている状態です。

 

不妊治療助成制度については当HPでも情報を更新してまいります。世界中のあらゆる情報を常に取り入れながら、我々の技術が少しでも少子高齢化の歯止めをかける足がかりになればと切に願っています。