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不妊と男性の生活習慣

2018.09.03 基礎知識

桜十字渋谷バースクリニック培養部です。

これまで男性側として精液の精子の数などの値が重要とお伝えしてきました。さらに7月下旬に参加させていただいた受精着床学会でも、生活習慣を見直すことにより少なかった精子の数が回復した患者様もいらっしゃると発表されていました。

精巣・精子は熱に弱い

ヒトの精巣・精子は熱に弱い細胞です。そのために精巣は、陰嚢内に収容されており、体の中心部から外に出るような構造をとることで体温よりも低い温度を保っています。また、陰嚢への血流はとても大事なものであり、酸素や栄養物質などを運んでくれています。そのため、精子の状態をよくするための基本的な考え方としては、「陰嚢温度を上昇させない」、「陰嚢への血流を阻害しない」ということが大事です。

それを踏まえて、生活習慣において見直すべき項目を以下のようなものがあります。

男性不妊に影響する生活習慣

  • ボクサータイプの下着
    陰嚢に熱がこもる原因。トランクスなど風通しがいいものがおすすめ
  • 肥満
    肥満により陰嚢が太ももと接触することにより、陰嚢温度が上昇
  • 膝の上でのPC操作
    PCと接触することにより陰嚢温度上昇の原因
  • 長時間のサウナや入浴
    陰嚢温度上昇の原因
  • 喫煙
    陰嚢内の血管が収縮して血流が悪くなる
  • 長時間の自転車
    陰嚢が圧迫されて血流が悪くなる
  • 育毛剤
    AGA(男性型脱毛症)の治療薬のうち、プロペシアを主成分とするものには、男性ホルモンの作用を抑制してしまう働きあり。また、性欲減退や精子数の減少、EDなどの原因になる場合もある
  • アルコール摂取
    一滴でも飲むとだめという意見もあるが、正確な悪影響は不明
  • 職場の環境
    精神的ストレスや有害物質による悪影響
  • 長期間の禁欲
    精子の質の低下。1-2日間程度で十分

最近では陰嚢温度上昇を予防するために、陰嚢専用の冷却シートや陰嚢冷却下着などが販売されています。陰嚢冷却シートは冷えピタのように陰嚢を冷却シートで包み、陰嚢温度を2℃程度下げる効果があります。陰嚢冷却下着は通気性がよく、陰嚢が接触する部分が冷感素材で作られているため陰嚢温度上昇を軽減するそうです。

今年の夏もとても暑い日が続いています。熱中症や熱射病に気をつけつつも、陰嚢の温度を上昇させないように気を配っていきましょう。