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不妊について知ろう!【第9回 男性因子 ~精索静脈瘤~】

2018.10.01 基礎知識

こんにちは、今回は桜十字渋谷バースクリニック看護部が担当となります。
今回は男性の不妊症の原因となる精索静脈瘤に関してお話していきたいと思います。

 

精索静脈瘤は精巣内にある静脈血が腎静脈から内精索静脈へ逆流するために、
蔓状静脈叢(精巣から心臓にもどる静脈)の怒張、うっ血をきたし瘤状に肥大した状態をいいます。

血管が瘤状に肥大することで血流が悪くなるため、
精巣内の温度が上昇し精子を作る機能が低下すると言われております。

 

また、精索静脈瘤は左側に発生することが多いです。
下図に示したように左側は右側と違って腎静脈に一度流入してから、
下大静脈に流入します。腎静脈は、大動脈に比べ細いため逆流を起こしやすいと考えられています。

精索静脈瘤は男性不妊患者の約40%にみられるという発表もあるほど、
男性不妊の原因となりやすい疾患です。
ですが、手術をすることで約50-70%の方の精液所見が改善し、
女性の不妊要因がなければ約30%以上で自然妊娠が可能だという報告もあります。

 

精索静脈瘤の手術には、「低位結紮術」と「高位結紮術」という方法があります。
いずれも精巣静脈を結んで切断することで、血液の逆流がなくなり、瘤が消失します。
これにより精液所見が改善するケースがあります。

 

また、精索静脈瘤で重症度によるグレードがあり、
グレード1~3があります。グレードが高いほど症状が重く、
手術が必要となってくる場合もあります。以下がそのグレードとなります。

グレード1 立位腹圧負荷で触り、確認できる
グレード2 立った状態でさわり、確認ができる
グレード3 視診で静脈瘤を確認できる

 

精索静脈瘤は、健康に害を及ぼさない良性疾患でありますが、
進行性の病気のため以下のような症状があった場合は、早めの検査をおすすめします。
症状としては、陰嚢部の不快感や痛み、陰嚢表面にこぶ状に静脈がみえること、
陰嚢の大きさが左右で異なるなどが挙げられます。

 

当院では男性不妊の治療は行っていませんが
上記のような症状があった際には精液検査の実施や
男性不妊治療を行っている病院やクリニックに紹介も可能となっておりますので、
是非ご相談ください。