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排卵の機序~排卵に至るまでのホルモンの流れ~

2018.10.08 基礎知識

桜十字渋谷バースクリニック検査部です。
今回は、不妊原因のひとつである排卵因子のことをご説明する前に、
基礎知識として排卵に至るまでのホルモンの流れについて説明したいと思います。

排卵に至るまでのホルモンの流れ

卵胞が成長するときは、下の図のように脳の視床下部から「卵巣を刺激するホルモンを出しなさい!」と下垂体を刺激するホルモンGn-RH(性腺刺激ホルモン)が分泌されます。それに下垂体が反応し、卵巣に向けて卵胞を刺激するホルモンFSH(卵胞刺激ホルモン)を分泌します。

小さい頃の卵胞(卵子)はFSHに見向きもせずに成長していきますが、少しずつ大きくなるとFSHを意識し始めます。さらに成長して卵胞が大きくなると、FSH依存的に卵胞がますます成長・成熟を始めます。

この卵胞が成長・成熟する過程でエストロゲン(エストラジオール:E2)と呼ばれる女性ホルモンを分泌し続けます。このとき子宮内膜はエストロゲンに反応して厚くなり受精卵を受け入れる準備がはじまります。

卵胞が成長してエストロゲンが十分に分泌されると、エストロゲンが刺激となって今度は下垂体から排卵を促すホルモンLH(黄体化ホルモン)が急激に分泌されます。排卵を促すために放出されるLHは、排卵前に急激に上昇してすぐに下がることからこの現象をLHサージと呼びます。

LHサージに反応して成長した卵胞が破れ、中から卵子が排出されます。これが排卵です。
卵子が出ていくと、排卵後の卵胞は黄体に変化して、黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌します。プロゲステロンはエストロゲンによって厚くなった子宮内膜に作用し、さらに受精卵が着床しやすいように妊娠の準備を整えます。

排卵に至るまでのホルモンの流れ

 

このように、血液中の月経周期ホルモンの値は排卵に向けて日々変化します(下図参照)。

月経周期ホルモンの変化

月経や排卵は、卵巣や視床下部、脳下垂体などから分泌されるホルモンがバランスよく働くことで正常におこりますが、ストレスや、急な体重変化など、様々な原因でそれらがうまく働かなくなると月経の乱れや排卵障害などが起こり、不妊症となってしまいます。

妊娠に関わるホルモン量を調べるのがホルモン検査で、その量が月経周期によって変化するため、不妊症の検査では月経周期に合わせて検査を行っています。